映画「Pink Floyd The Wall」について
オリジナル・スタジオ版と映画では、若干、曲順が入れ替わっていたり、曲の入れ替えがあるので、それをここでご紹介しておく。


映画の曲順(ついでだから?日本語タイトルに訳しておきます)
01:サンタクロースに忘れられた子(ヴェラ・リン注1

02:戦車(注2)が野に放たれた時・その1

03:サンタクロースに忘れられた子・続き(ヴェラ・リン)

04:実物?

05:薄氷

06:壁の中のただのレンガ・その1

07:戦車が野に放たれた時・その2

08:さらば青空

09:人生で最も幸せな日々

10:壁の中のただのレンガ・その2

11:母さん

12:からっぽの空間

13:さて、なにをしようか?

14:若くてギラギラの欲望

15:ひとつの転機

16:捨てないでくれ

17:壁の中のただのレンガ・その3

18:サヨナラ無常な世界

19:外に誰かいるか?

20:誰もいない家

21:ヴェラ

22:子供らを家に帰そう

23:しびれて気持ちイイ

24:実物

25:死ぬ気で走れ

26:うじ虫を待って

27:止まれ!

28:裁判

29:壁の外側

注1:ヴェラ・リンは、「ヴェラ」という曲でも詠われている歌手であるが、私は詳しくは知らない。ちなみに「ITAOT?」では、開演前のBGMでもリンの曲が使われていたが、私はタイトルは知らない。ただ、その曲の歌詞がそのまま「ヴェラ」の中にでてくるので、ウォール・コンセプトの中では結構、重要な存在かもしれない。引き続き研究します。

注2:「Tigers」は、もちろん阪神でもないし、野茂がいる大リーグの球団でもない。第二次大戦中に、連合国を恐怖に陥れたドイツ軍の名戦車「ティーゲル I」のことである。
あえて「タンク」とか表現していないのは、たぶん、イギリス人にとっては、日本人における「B29」ぐらい、ポピュラーな名称なのかも(単なる憶測)。


ということで、映画はSE的にヴェラ・リンの曲が使われている点、「戦車〜」が挿入されている点、「さらば青空」の順番が異なる点が、オリジナル版との相違である。
オリジナル版にあって映画にないのは「なあ お前(Hey You)」と「ショウは続けなきゃ(The Show Must Go On)」の2曲である。
ちなみにウォーターズの「ザ・ウォール・ライブ・イン・ベルリン」でも「ショウは続けなきゃ」はカットされており、存在感の薄い曲と言わざるを得ないであろう。私の周囲でも「ヘイ・ユーはいい曲のなのに・・・なんで使わないんだ?」と、映画に使われないことを惜しむ声があったが、ついぞ「ショウ・マスト・ゴー・オンをなんで使わないんだ?」という声は聞かなかった。

その代わりといっては何だが、オリジナル版ではカットされていた「さて、なにをしようか?(What Shall We Do Now?)」が使われている。
だが、この曲はほとんど「からっぽの空間」(Empty Spaces)」と一体化しており、新曲が増えたというより、むしろやっと「からっぽ〜」がマトモに収録された、という印象が強い。

オリジナル版と異なるレコーディングは、各所で聞かれる。

一番わかるのは、「実物?」と「実物」で、これはボブ・ゲルドフが歌っているから当たり前か。
特に「実物」の方は、ブラスバンドやコーラスも入れて大々的にアレンジが変えられているが、どうせならオーケストラを使って、ワーグナー風のアレンジでやってもらいたかった(ファシズム=ドイツ=ワーグナー、という単純な図式ですが・・・)。
また、「母さん」でもアレンジがだいぶ違う。第一、映画の方が「間」が長い。
「止まれ!」は、ゲルドフが実に見事にだらしなく呟いているので、ほとんど元曲のメロディーがわからなくなっている。
また、最後の「壁の外側」も、ステキな間奏が加えられていたりして、オリジナルより私は好きだ。ちなみに、「ベルリン・ライブ」では、最後はウォーターズの「ラジオK・A・O・S」より「潮の流れが変わる(The Tide Is Turning)」が、出演者が変わるがわる歌って(要するに「バンド・エイド」風というか「USAフォー・アフリカ」風というか・・・)いたが、ちょっと違和感があった。
特にジョニ・ミッチェルの仏頂面が・・・。

プ日会として最も気になるのが「歌詞」の違いだが、多少ある。

まず、「からっぽの空間」これは、最後「もっと拍手を求めて」というような歌詞になっていて、ミュージシャン(主人公ピンク)の、どうしようもない性(さが)を訴えるように変えられていた。これは、オリジナル版を除く全てに見られる。

ちょっと気になる変更は、「母さん」である。第2連の「ボク、本当に死ぬの?」という歌詞。これはオリジナル版でも映画でも、そう歌われているのだが、今回の「ITAOT?」、それに「ベルリン・ライブ」でも「時間の無駄なか?」に変えられていた。
これは、なぜ????
個人的には、その前の一節が「ボク、(戦場の)前線に送られるの?」なので、「死んじゃうの?」の方が、単純だが主張が明確で良いように思う。
「時間の無駄かな」は、詩的には思わせぶりなフレーズで悪くないと思うが、意味が模糊としてくると思う。

ついでだから、ベルリン・ライブの出演者なども紹介しておこう。


●ベルリン・ライブでの配役

ピンク=ウォーターズ
これは、作った本人だからしょうがないな。個人的にはゲルドフの方が好きですが
母さん=マリアンヌ・フェイスフル
懐かしいなぁ・・・。まだいたんだ! ミックを連想するよな、やっぱり
妻=ウテ・レンパー
これを見て、CD欲しくなったけど、まだ買ってない。いい歌い手さんだ
教師=トーマス・ドルビー
適役なような、そうでないような・・・
不良学生=シンディ・ローパー
これは最高! めちゃカッコいい! でもマジで机、ひっくり返しそうだな
うじ虫裁判長=アルバート・フィニー
名探偵ポワロを演じた名優さんも、キャリアの後半で「うじ虫」するとは思ってなかっただろうに
検事=ティム・キャリー
ジム・キャリーじゃないよ。ティムだよ。確か『トミー』に出てなかったっけ、従兄弟のケビン役で?

その他歌った人

ジョニ・ミッチェル(さらば青空):ミスキャスっぽいな。本人も楽しんでなかったように見える
シンニード・オコナー(母さん):ボクは好きです。
ザ・バンド(母さん):ここで見られるとは!
ブライアン・アダムス(若くてギラギラした欲望):歌の内容に対して、なんか、健康的だね
ポール・キャラック(なあ お前):貫禄ですなぁ。
スコーピオンズ(実物?):どうもな〜